バガボンドを読むたびに
モーニングで連載中のこの漫画が始まったとき、おれは中学生だった。
仲の良かった友達から1・2巻同時発売の情報を聞き、あのSLAM DUNKの井上雄彦が描くなら間違いないと思って、迷わず買った。
予想通り、いや、期待以上におもしろい。
そしてすごい画力。
井上雄彦はどんどん進化してる。
そう感じた。
連載は今も続いていて、現在28巻まで発売中。
この先も武蔵の活躍に期待が膨らむ。
「バガボンド」と聞いて、おれは筆で描かれたかっこいい武蔵ともう一つ、高校のある夏の風景を連想する。
その風景は思い出というよりトラウマに近い。
高校1年の夏の日。
おれはクラスである女の子と話をしていた。
その子は小学校から一緒の顔なじみで気の知れた仲だった。
何かのきっかけでバガボンドの話になり、その子は5巻まで発売しているうち、3巻くらいから読んでいないと言った。
貸すから読めとおれはすすめ、次の日学校に持ってくる約束をした。
そして次の日。
いつもは忘れっぽい性格のおれなのに、ぜひ読んでほしい一心だったせいか、その日は忘れずに持っていくことができた。
あんな光景が待っているとは知らずに…
その日の授業がすべて終わった放課後、カバンから1〜5巻を取り出したおれは前の席の例の女の子に5冊を手渡そうとした。
約束を覚えていたことに感動したのか、女の子は満面の笑みでありがとうと言いながら受け取ろうと腕を伸ばした。
季節は夏。
制服は半そで。
そのことを2人とも忘れていた。
満面の笑みで、両手を肩の高さまで上げる女の子。
その袖口からは、まさかの無法地帯。
いや、無処理地帯…
クラスで気づいたのはおれだけだった。
バガボンドを読ませたいという好意が生んだ、まさに悲劇だった。
その一件以来、バガボンドとそのショッキング映像が結びつき、頭から離れなくなった。
バガボンドと言えば、武蔵と高名な武士との決闘が描かれた漫画。
と同時に、おれにとっては、己が描く女の子の理想像と現実との戦いの漫画でもある。
皆さんはぜひトラウマなしに読んでください。
おもしろいと思ったらぜひ1票を
← トラウマも吹き飛ばすようなクリックを!
竹光侍 5巻
待ちに待った「竹光侍」の最新巻!
この巻でも松本大洋の描く独特の世界が広がってます。
1話で読み切りの話が多くて、「おや?ストーリーはほとんど進展なしかな?」などと思って読み進めたところ、バッチリ進展してます。
平和な日々を邪魔される瀬能。
平和でいたいと思いながらもどこか満ち足りていないような瀬能の表情に、物語が大きく動く予感を感じる。
そして牢獄の木久地にも動きが…
1話1話の質が高い。
読み終わった後の、読み切りのようなスッキリ感。
それでいて物語の今後が気になるドキドキ感。
スッキリののちドキドキ。
その繰り返し。
この漫画を読んでいるときにときどき来る、物語の世界に入り込めた瞬間に感じるあの高揚感はなんだろう?
そう感じさせるのも、人物のセリフ、絵の力が大きいんだろうなぁ。
6巻が本当に楽しみ。
待つべし待つべし。
漫画との出会い
どうも、勝手に殿堂入り!の管理人gyoromeです!
このブログでは、漫画・本との思い出、殿堂入り予備軍を紹介していきたいと思っています。
更新は気が向いたらということで不定期ですが、思い出したときに見ていただけたらと思います。
初めてこのブログを書くにあたって、自分と漫画の出会いについて考えてみました。
ぼくが初めて買った漫画。
それは「ドラゴンボール」第27巻でした。
偶然にも27巻は記念すべきスーパーサイヤ人初登場の巻です。
元々アニメ版にはどっぷりつかっていたぼくは、悟空のスーパーサイヤ人化を目の当たりにし、1巻から集め始めることを決意しました。
しかし。
当時、8歳の少年に1冊390円×26冊を購入する金銭的余裕はなく…
あえなく断念。
手元には最初から攻めた1〜9巻と、最新巻から攻めた25〜27巻が残りました。
その計12冊も、その後破格の500円で友達に売られることになるのですが…
ぼくはそのとき初めて、お金の大切さ、欲しいものを手に入れられないもどかしさを知りました。
そんなことを思い出しながら、現在の自分の金銭感覚の麻痺さ加減、欲しい漫画は迷わず買う大人加減に、成長の実感と、何かを無くしたような喪失感を感じずにはいられません。
けれど、今は亡きドラゴンボール計12冊がくれた漫画への愛情を胸に、今後も漫画を愛し続けたいと思います。
ありがとう、鳥山明先生。そしてドラゴンボール27巻。
友達が今も大事にしてくれていることを、切に願います。