金春屋ゴメス
金春屋ゴメス/西條奈加 2005年 新潮社(2008年文庫化)
「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
月への居住が可能になった近未来の日本。
科学技術の進んだこの国に、なぜか属領として、ほぼ独立国家“江戸”が存在する。
そんな鎖国を敷く専制君主国家“江戸”に入国することになった、ある青年の物語。
設定がとにかくおもしろい。
近未来なのに、江戸時代。
べらんめぇ調なのに、ゴメス。
文庫本巻末の解説いわく、この設定がいろんな表現世界を可能にしてるし、この設定を思いついた時点で日本ファンタジーノベル大賞は作者のものだった、とのこと。
まったくその通りだと思う。
物語は一応(?)近未来だし、SF冒険ものに入るのかな?
個人的に、主人公のセリフが不自然に感じるとこがあって感情移入しにくかったこと、登場人物の名前が昔風で憶えにくかったことから、今回は予備軍止まり。
でもあくまで管理人個人の感想なので、読む人によって満足度は違うはずです。
近未来の江戸が作り出す楽しい違和感を味わいたい方。
奉行ゴメスの恐ろしさを体験したい方。
お試しあれ。
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