世界の終わりと夜明け前

この日を待ちわびた。
会社帰りのコンビニで、スピリッツに掲載されていた「浅野いにお短編集発売」の文字を読んで以来、この日がほんとに待ち遠しかった。


ついに出ました。
浅野いにお短編集『世界の終わりと夜明け前』。


タイトルとは逆で、『夜明け前』に始まり『世界の終わり』で終わる、読み切り10作+αの1冊。
個人的にはおなかいっぱい、大満足でした。


絶望感と期待感。
その2つが入り混じった1つ1つの作品が、キャラクターへの感情移入と一緒に胸に染みる。
キャラクターに愛着がわくもんだから、別の作品にそのキャラが登場したりすると「あ、あいつだ」てな感じで妙に嬉しい。


盛りだくさんの内容の中で、おれは『東京』が一番好き。
可愛らしい登場キャラもいいけど、おれが浅野いにおの描く漫画を好きな一番の理由は、自分の切なさや絶望感を表現してくれるとこ。
『東京』はそういう部分が多くて一番ぐっとくる。


ミスチルじゃないけど、人は悲しいくらい忘れてゆく生き物だ。
友達にひどいことをした事実も、大好きだった女の子のことも、そのときはずっと忘れないと思ってたことも嘘みたいに忘れてしまう。


ふとした拍子に思い出すこともあるけど、未だに忘れたままのこともきっとあるんだろうな。
浅野いにおの漫画を読むと、忘れてた思い出がよみがえってくる。
そんな漫画は誰にでも描けるわけじゃない。
やっぱりすごい。


この短編集の中には漫画だけじゃなく浅野いにお本人の文章も掲載。
小説みたいな漫画描くなって思うことがあるけど、この人やっぱり文才もある。
1つ1つの作品を振り返るあとがきが笑える。


今後もこの人の作品に期待。大いに。



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